英和の英語は社会的スキルも伸ばします――ポール・アンダーウッド教授

国際社会学部には熱心な教員が多数所属しています。今回は「英語の英和」をがっちり支えるスタッフ陣の一人であるポール・アンダーウッド先生に登場していただきます。

優しい物腰と成長に導く指導で学生に人気のポール先生ですが、実は意外な趣味をお持ちでした。

――まずはご出身と、英和に来るまでどうしていたかを教えてください。

イギリスの南西部にあるプリマスで生まれました。幼いころから外国に興味があり、いつも外国に行ってみたいと思っていましたし、外国の文化に触れるのも大好きでした。ですので中学生の時にはフランスにホームステイに行ったり、大学では留学を考えたりしていました。それでオーストラリアの大学院に進学したのです。最終的にイギリスのランカスター大学で博士号をとりましたが、それまでに教育学・文化・言語学・英語教授法など、いろいろ学びました。



――となると、日本との出会いは?

子供のころに近所の空手教室に通ったのが最初です。その後、20代には合気道にハマりました。1999年に来日して中学高校で英語教師を始めたのですが、実は合気道を極めるのが隠れた動機でした。

――ポール先生と合気道、なんだか結びつきませんね。

いやいや、上落合の養神館道場に通い詰めましたよ。当初は仕事よりも熱心だったかもしれません。

道場では、師範はある程度英語のできる方が多かったのですが、通っている人たちはほとんど英語を話しませんでした。そこで僕の日本語はかなり上達しましたね。たくさん話すことで言葉は上達するというのを身をもって経験しました。

合気道を通して、日本語だけでなく、日本文化の真髄にも触れました。例えば「我慢する」ことです。冬のみそぎ稽古もそうですが、我慢することが稽古の一環です。風邪をひいて具合が悪くても稽古に行く、足を挫いていても頑張って正座をする。このようなことは僕の世代のイギリス人にはありえないことです。第二次世界大戦を戦った祖父母の世代ならあったと思いますが。今の日本の根底にも、このような「我慢の文化」は存在するように思います。

・・・合気道について熱く語ること10分以上・・・話が止まらないポール先生・・・長くなるのでカットしておきます・・・

――(無理やり話を英語教育に転換する)ところで英和の英語教育についてお尋ねします。この大学に入学する学生は、英語に興味はあるけれど、いまひとつ自信がないという人が多いと思います。そのような学生を、どのように指導していますか?

英和に来た学生には、まず大きな認識転換を迫ります。英語は「科目」でも「試験の点数をとるためのもの」でもなく、大学での学びを進めるための「ツール」であることを、体で認識してもらうのです。この大学の英語カリキュラムは、英語を学ぶのではなく、英語を使って学ぶ、というものです。ですから、現在の国際問題や社会問題、例えばブレグジットや中国の対外関係、温暖化問題、世界の文化など、様々なテーマについて読み、議論し、書くという授業を進めています。四技能をすべて使います。入ったばかりの一年生には大きなショックのようですが、二年生の終わりごろにはみんな大きく変わっています。

英語のクラスは最初に受けるTOEIC-Bridgeの点数によって編成します。学生の英語スキルに合わせた教育を行っています。基礎クラスの学生も、上級クラスの学生も、今いるところから成長させるためのカリキュラムになっています。二年間の基礎英語が終わると、英語で開講されている専門科目やゼミで、さらに深く学ぶ学生もいますね。

僕が担当するクラスでは、学生同士で話す割合が大きいです。そこで「自分の意見を明確に伝えること」「他人の意見を聞くこと」「質問すること」「黙りがちな人の意見を掘り起こすこと」「グループで意見をまとめること」「他の学生や教員に対して責任を果たすこと」などのスキルを身につけていきます。英語のスキルだけでなく、社会的なスキルも高めているのです。結局、英語で使うスキルと社会人として必要なスキルって似ていると思いませんか?

――「英語で使うスキルと社会人として必要なスキルが似ている」というのは、面白い視点かもしれません。これは英語を「科目」ではなく「ツール」としてとらえているからこそですね。ところで意地悪な質問ですが、正直、英和だけでなくどの大学も「少人数制」「使える英語」「スキルとしての英語」をアピールしています。結局どこを選んでも同じ、とは考えられませんか?

僕は他の大学でも非常勤講師として働いたことがありますが、やはり英和での授業が一番やりやすいです。英語のクラス人数が35名と多いところでは、学生同士のディスカッションをしてもらうにも、いつも友達同士でペアを組むことになりがちでした。英和のクラス構成は10名から多くても20名以下で、これはペアワークやグループワークに編成しやすいだけでなく、シャッフルもしやすい規模です。人数が多くなると教室内でグループをシャッフルするにも時間がかかったり移動距離が長くなったりで、なかなかうまくいきません。グループの組み換えは、同じことを繰り返し発言することで上達したり、よく知らない相手と話すことで社会的スキルを高めたり、という効果があります。その点でも、英和の英語授業はかなり効果的だと思いますよ。「どの大学でも同じ」というなら、ぜひ英和に来ていただきたいですね。


学生を成長させることが教師の責任と熱く語るポール先生は、厳しさの中に愛があり、まるで合気道の師範のようです。日本生活が長く、合気道の道場で鍛えられたこともあり、実は日本語もとてもお上手です。オープンキャンパスに行けばポール先生に会えるかも⁉ 

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