英和には他大にないプログラムがある!――滝沢藍梨さん(2019年度卒業生)【後編】

進学する大学を決める際、皆さんはどんな基準で選びますか?偏差値、通学時間、就職率、いろいろな基準で検討するかと思います。前編でご紹介した滝沢 藍梨(タキザワ アイリ)さんは、「大叔母様が東洋英和の卒業生だから」と軽い気持ちで受験したそうですが、結果的に英和のリソースを最大限に活用して卒業しました。具体的にどんな学生生活を送ったのか、訊いてみましょう。




【今回のゲスト】

氏名:滝沢 藍梨タキザワ アイリ)さん

卒業した学科:国際社会学科

卒業年月:2020年3月

卒業時のゼミ:平体 由美ゼミ

在学時の課外活動:オープンキャンパススタッフ

現在の活動:アーティスト



滝沢さんの作品 《Peacock in The Mirror 》


――現在、アーティストとして活動されているということですが、英和では教員免許と日本語教師の資格を取得されていますね。それはなぜですか?何かアートと関係があるのでしょうか?


まず教員免許(中学校社会科、高等学校地理歴史科・公民科)についてですが、それまでの人生の大半を過ごしてきた"学校"という場所を、違う角度で見つめ直してみたかったからです。私の子ども時代は悲しい思い出が多くて、自分自身が立ち直るためにも、きちんと問題を洗い出してみようと思ったんです。トラウマが蘇って、泣きながらテストを受けたこともありました。でも、「社会は人が作っていて、人は教育が作る」ということを理解できたこと、教育実習でとても素敵なクラスと出会い、学校という場所を好きになれたことは、大きな財産になりました。

そして、教職課程を通して、今の時代の当たり前も、場所や時代が変われば決して当たり前ではないということを学びました。自分がどのような時代の影響を受け、どんな価値観の下に生きてきたのかを考え、内省を深めることができたといえます。 

加えて、国家資格が取得できるからというのが大きな理由です。前述の通り、学生時代は将来について何も決められずにいました。そんな時、「女性学」の授業で、日本の女性の年齢別就業率はM字カーブを描くことを学びます。一生働きたいと思った時に何か助けになるものがあった方がいいと思い、国家資格取得が視野に入ってきました。それが決め手になったと思います。

次に、日本語教師の資格を取得しようと思ったのには、3つ理由があります。1つ目は、国際交流に関心があり、この資格を持っていたら新しいチャンスに出会えるかもしれないと思ったこと。2つ目は、足立恭則先生の授業が面白く、言語学の興味深さに惹かれたこと。3つ目はお芝居など、ことばを使った表現を(当時は)していたので、言語について学ぶことで何かヒントを得られるかもしれないと考えたからです。


――教職だけでも大変なのに、日本語教育課程も同時に履修していたのはすごいですね。そうなると、4年間で取得した単位数は何単位ですか?


200単位は超えていたと思います。フランス語検定、漢字検定なども級を取得していましたが、それは申請しなかったので、申請していれば220単位近く取得できたかもしれません。


――なんと200単位以上ですか!卒業に必要な単位を100近く上回っていたんですね。資格取得以外に、それだけ頑張れた理由はありますか


英和には他大学にはないプログラムがたくさんあります。挑戦できる環境が揃っているんです。それに、英和では公平性が保たれ、評価軸が明確な授業が多かったので、安心して頑張ろうと思えました。それはモチベーションの維持や向上に大きく影響したと思っています。


――例えば、どんなプログラムが英和オリジナルなのですか?


駐日セルビア共和国大使館と連携したSERBIA×英和PROJECT、サラエヴォへのスタディツアー、東京国際映画祭のインターンシップは、他大学に行っていたら経験できなかったと思います。



――東京国際映画祭のインターンシップですか。それはなかなかできない経験ですね。



他大学の学生はボランティアとして参加している人が大半で、会場整理や誘導などをしているのですが、英和生はゲストのアテンドをやらせてもらえるんです。英和生だけの特権です(笑)。


しかも、正課科目なんです。「インターンシップ」という科目で、単位も取得できます。私は大学2年生の時に履修しました。第30回(2017)東京国際映画祭のアテンドを担当したのですが、ジョージアのザザ・ハルヴァシ(Zaza Khalvashi)監督(故人)をはじめとする14ヶ国のゲストとご一緒することができました。世界各国から映画祭のために来日する監督、俳優の滞在中のお世話をするのですが、英語力だけでなく、映画や様々な国の文化についても学ぶ必要があるので、大変やりがいのあるお仕事でした。



――具体的にはどんなことをするのですか?



来日中のゲストはスケジュールがタイトなので、映画祭が成功するためにも、できるだけオンタイムで進行する必要があります。その時間管理や、限られた時間の中で必要なものを揃えるお手伝いをしたりするのが、私たちのお仕事です。マネージャーのように付き添うので、ゲストといろいろなお話をすることができます。



東京国際映画祭のインターンシップ



――それは一生忘れられない思い出ですね。英和でしか経験できないプログラムを経て、今の滝沢さんがあるのですね。授業や大学が提供するプログラム以外で、英和で良かったなと思う点はありますか?


キャンパスに多様な女性がいて、人の目を気にすることなく、自分を自由に表現できたように思います。ファッションひとつにしても、各々が様々なジャンルのファッションを身につけていて、ありのままの自分でいられるような気がしました。「本当に自分が好きなものは何か?」「あなたはどんな風に物事を考えているか?」と自他について考えられるんです。英和生の独立心の強いところ、積極的だけれども他者を尊重する気風には、とても勇気づけられ、かつ助けられました。

そして、多様な女性というのは学生だけではありません。教職員にもロールモデルになるような女性がたくさんいました。平体由美先生高﨑春華先生町田小織先生等々、それはそれは素敵な先生がたくさんいらっしゃいました。


――そのロールモデルから影響を受けたと思いますか?受けたとしたら、具体的にどんな影響を受けたのでしょうか? 


他大学では教授、幹部職員、経営陣等は男性の割合が高いと聞きます。中には、「学部にひとりも女性の先生がいない」と言っている友人もいました。しかし、東洋英和には各分野のスペシャリストとして活躍される、素敵な女性がいらっしゃいます。そのおかげで、自分のキャリアを「女性だから」という理由で想像できないということはなくなりました。そして女性がキャリアを形成することの素敵なお手本を、身近に感じることができたのは大きな財産です。


――最後に英和生へメッセージをどうぞ。


今回ご紹介したSERBIA×英和PROJECT、サラエヴォへのスタディツアー、東京国際映画祭のインターンシップは、どれも今の私を構成する大切な経験です。これからも、ひとりでも多くの英和生が実りある学生生活を送ることを心から願っています。


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