学生時代は新聞作りに没頭してました!ーーー長谷川かおり准教授

 

今日は、国際社会学科で経済学がご専門の長谷川かおり先生にお話を伺います。
 





早速ですが、長谷川先生は学生時代どんな学生さんでしたか? 

 中学高校と女子校に通っていたのですが、新聞部に入部し、新聞作りに没頭していました。学校の中のことだけでなく、社会問題にも目を向けて、結構しっかりした新聞を発行していたんですよ。 私たちの新聞部は学内の活動だけでなく、高校新聞の団体との交流や情報交換も盛んに行いました。

 その中で、男子校や定時制の高校などとも交流をもつ機会があったんです。その団体では、お互いの新聞記事の批評会を開催したり、どういう記事を取り上げたら良いかなどについて議論したりしてすごく刺激をいただきました。そしてそのような他校との交流で、高校と言ってもすごく多様だということを実感しました。例えば、進学校の男子生徒の話を聞くと、同じ学年のはずなのに、自分たちが聞いたこともないような知識を新聞に書いていたり、定時制高校の生徒は、お仕事の話をされていたりして、世の中がいかに多様であるかということを気づかされました。 

 大学に入っても、新聞作りに対する愛は消えることがなく、活動停止状態になっていた大学の新聞部を復活させました。1年生の時から新聞部の部長になって、大学新聞を発行していました。 大学の専攻は経済学で、数理経済学のゼミに入ったりして専門分野では数字の世界に没頭していたのですが、一方で文学少女だった一面もあり、文章を書くことが好きだったのですね。それも取材して人の話を聞くことも好きだったので、それが新聞を書く、作るということにつながったのだと思います。本当に新聞作りが楽しくて仕方なかったんです。 

 新聞部での活動が先生に大きな影響を与えたんですね? 

 とにかく新聞作りからいろいろなことを学びましたし、影響を受けました。貴重な出会いでした。学生新聞の団体との交流では、社会がいかに学歴で輪切りになっているかということも実感しましたし、そのような状況にはかなり経済的な要因が絡んでいるということに気づきました。経済の論理が、格差を生んだりしているんだということも感じました。そのような気づきも、大学で経済学を専攻するきっかけの一つです。 

そこで新聞作りと経済学が繋がるんですね〜 

 経済学は、一番グローバルに議論ができて、社会の全てのことと関係すると思ったのです。現実の問題を解決するために経済学を学びたいという思いがありました。 また大学時代に、私が経済学を深く理解するきっかけとなった印象的な学びが二つありました。

 一つは数学の授業で、今まで自分が数学だと思っていた学問とは別の世界、数学はゼロから世界を構築することなのだと知って感動しました。もう一つは、数理経済学の授業で、黒板には、英語や数式やグラフだけで全然現実の話が出てこないのですが、先生が、ここに書かれているこの点は、労働者を表しているし、この点の裏側には、労働者の思いがあるのだと説いてくれました。そして数理経済学をやる人間は、グラフの曲線の裏にある労働者の気持ちや涙を真剣に考えなければいけないと教えていただきました。 
 
先生はアメリカの大学院にも進学されましたが、アメリカでの生活はいかがでしたか?初めての長期の海外生活だったと思うのですが? 

 経済学を専攻した時から留学の希望はあったので、アメリカのNY州にある大学院に進学しました。アメリカでの生活はエンジョイしたかったのですが、大学院での留学ってほぼ勉強しかなくって(笑)でも実は、クラシックバレエをやっているのですが、アメリカでの大学院時代、週3回も地元のバレエ団のオープンクラスのレッスンに通っていました(笑) 

先生がそんなに熱心にバレエに打ち込まれたということは、今でもはバレエは続けていらっしゃるのですよね? 

 バレエは下手の横好きでずっと続けています。留学先でバレエクラスに通ったことにも意味がありましたね。人種による身体能力の違いや、ふくよかな体型でも、70歳ぐらいの高齢者でも全く臆せず皆さん踊っていらっしゃる姿を見て、気づきもありましたし、私も歳を重ねても踊り続けたいと思いました。 

バレエの他にご趣味はありますか? 

 身体を動かすことが好きなので、ヨガやピラティスもしますが、お菓子作りやお料理も好きです。実はアイシングクッキー講師でもあるんです。 

すごい!とっても多才なんですね! 

 食いしん坊なんです。アイシングクッキーは、毎年2年生のゼミでハロウィンの時に学生と一緒に作ります。学生によって、アイシングのデコレーションが斬新だったり、デコリのエキスパートみたいな学生がいたりして楽しいです。 3・4年生のゼミでは、みんなでクリスマスにチキンを焼いて、オードブルを作って一緒に食べます。みんなで作ってみんなで食べるのが楽しいんですよね! 

ハロウィンにクッキーを焼いたり、クリスマスにはチキンを焼いたり、長谷川ゼミは楽しそうですね〜 学生同士の結束も強くなりそうですね! 

長谷川先生が授業で大切にしていることはどのようなことですか? 

 「伝えること」を大切にしています。内容だけでなく、どのように伝えるかということもその時々の学生の反応を見て、彼女たちに合った伝え方を考えます。

 それともう一つ大切にしているのは、授業を通して学生が何かを発見できるような、気づきがあるといいなと考えています。授業の内容を理解するだけでなく、学生が新しい視点を手に入れられるような授業を心がけています。 

英和の学生についてお伺いします。どのような印象をお持ちですか? 

 人に対して穏やかでオープンマインドのように感じます。そしてポテンシャルの高い方が多くて、成長したいと思っている学生が多いと思います。そのような意識が大学に入学したときは漠然としていても、ゼミでのプロジェクトを通して難しいことにチャレンジすると飛躍的に伸びる学生が多く、それが私自身にとってもやりがいにつながっています。 

先生はこれからどんな授業を行いたいとお考えですか? 

 ゼミと講義では違うと思いますが、経済学の理論と、最新の社会問題との関係や現実的な課題解決とをつなぐことができればと思っています。理論が現実社会に活かされないと意味がありませんし、学生にも学ぶ上でその点は意識して欲しいと思っています。 

 ゼミに関しては、これからもプロジェクトベースで様々な取り組みを行なっていきたいと考えています。そしてそれらのプロジェクトが、実際に地域や企業の役に立つものであることを重要視しています。学生には、大学の課題だからやったというのではなく、自分たちのプロジェクトがどのように地域や企業の役に立つのかということをしっかり考えて取り組んで欲しいと思っています。そして卒業後も、自分たちが作った企画がどうなっているのかとか、その後プロジェクトがどのように発展したか、というところまで考えられるようなプロジェクトに育てたいです。 

英和生やこれから大学生になる人たちに望んでいることはありますか? 

 大学時代は、一番自分の可能性を試せるときだと思いますので、自分の可能性を見つけて欲しいです。そしてその可能性を広げて欲しいと考えています。そのためにもたくさんチャレンジして、時には失敗して、多くの経験から学び自らの可能性を広げて欲しいです。 



  長谷川かおり先生にお話を伺うまで、ミクロ経済学の専門家というイメージだったのですが、新聞部での活躍、バレエへの愛、そしてアイシングクッキー講師と、本当に多彩な才能をお持ちだとわかりました。そして、長谷川ゼミの実践的なプロジェクトとみんなで楽しむハロウィンやクリスマスのイベントなど、本当に充実したゼミナールを展開されていることに感銘を受けました。

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