中学のころからの憧れ、教員への道 国際社会学科 ―郡万里吾さん(2023年度卒業生)

 

今回は、2023年度に卒業された国際社会学科の郡万里吾(こおりまりあ)さんの教員になるまでのお話を伺いました。教員に憧れるけど、どうしたらなれるのかしら、私にもなれるのかしら、興味関心はあるけれど何となくハードルが高く、遠い憧れで終わってしまっている高校生・大学生も多いのではないでしょうか。郡さんも紆余曲折がありながらも最終的に自分のやりたかったことに気づき教員になられた学生です。彼女のストーリーを伺ってみましょう。





―まずはご卒業おめでとうございます!

今日は郡さんに教員になるまでの道についてお話を伺います。よろしくお願いいたします。

郡さんは、最初、保育・子ども学科に入学されたのですよね?どのような理由で保育・子ども学科を目指したのでしょうか?

 

私自身、実は中学生の時から教員を目指していたのですが、大学受験当時は、児童福祉に関心があったこともあり、保育・子ども学科を受験して進学しました。しかし、大学に入学すると日に日に「やっぱり教員になりたい!」という思いが強くなり、1年生の前期には転部することを決め、そのために必要な成績をとることを目標に頑張っていました。

 

―入学してまもなく、本当にやりたいことが明確になり、それで転部を考えたのですね。

 

そうなんです。おかげさまで2年次から無事に国際社会学部国際社会学科に転部・転科することができ、1年生の時の保育・子ども学科の必修科目との兼ね合いで履修することができなかった国際社会学科の必修科目をとり、それに加えて教員免許取得に必要な科目もあったので、ほぼ毎日大学に通う日々を過ごしました。

 

―それは大変でしたね。郡さんの学年は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、入学式もキャンセル、授業もオンラインということでスタートした学年ですよね。みんながオンラインで授業を受けていても教員免許のための授業は対面が多く、大学に来ても寂しかったのではないですか?

 

それがその年、教職課程を履修する学生が例年に比べて多かったこともあり、みんなと協力しながら乗り切ることができました。

 

―そうでしたか。それは心強かったですね。同じ志をもつ仲間の存在は大切ですね。

 

はい。本当にみんなと一緒だから頑張れたと思っています。

3年生になると周りの学生がインターンシップに参加したり、説明会に出席したり、就職活動が始まりました。そのタイミングで、改めて自分の進路について考えました。最初は教員一本に絞るか迷っていたのですが、改めて自分の意思を明確にするためにも、教育業界に絞ってインターンシップや選考に参加しました。そして、自己分析や業界分析を進めていくなかで、自分のやりたいことがずれているのではないかと感じることが多くなりました。そして、大学の教職担当の先生や教職課程を履修していた友人、家族と相談して、3年生の1月に教員一本に絞ることを決心しました。

 

―教育業界のインターンシップなどにも参加してみて、やはり自分は教員になりたいということを確信したんですね。

 

はい。自分の意志を確認するプロセスとして、インターンシップへの参加なども必要だったと思っています。

大学の教職担当の先生に、教員一本に絞ることを決めたことを伝えて、そこから集中的に教員採用試験のためにご指導いただきました。石神真悠子先生(教職・実習センター)は最低でも週に一回は勉強会を開いてくださり、小論文対策や教員採用試験までのスケジュールの確認などを行ってくださいました。

 

―大学の教職担当の先生と二人三脚で頑張られたのですね。

 

はい。とても親身にご指導いただきました。

4年生になると5月には教育実習があります。また5月ごろから各都道府県の教員採用試験が始まります。教育実習とほぼ同時進行で、教員採用試験の受験科目である教職教養、専門教養、一般教養、小論文などを勉強していました。最終的に茨城県、徳島県、愛知県、東京都の教員採用試験を受験しました。愛知県と東京都の1次試験に合格し、2次試験では場面指導を含む面接を受けました。その結果、東京都の特別支援学校中・高等部の合格を頂きました。

 

―改めて努力が実を結んで夢が目標になり、実現したこと本当におめでとうございます。

大学生活は、転部・転科から始まって、教職課程の履修、教育実習、教員採用試験のための勉強と本当に忙しく、でも充実した時間を過ごされましたね。ずいぶんと凝縮した時間に充実感を味わったのではないでしょうか。

 

はい。忙しかったですけど、教員になることは中学のころからの夢だったので、辛くても努力する意味があると信じていました。そして何より一緒に頑張っていた仲間の存在と、サポートしてくださった教職員の方々のおかげだと思っています。

これからは、教員として自分が生徒たちに何を与えられるのか、日々試行錯誤しながら精いっぱい頑張りたいと思っています。

 

ゼミ担当 町田幸彦先生のコメント:

私のゼミでは、しばしば発表のやり直しを学生に求めます。郡さんにもいろいろ注文をつけてそのように指示したことがあります。ハードルを上げても必ず跳んでくれるような感じがして、鍛えがいのある学生のひとりでした。彼女の卒業論文は、多くの資料を丹念に読み込む誠実さが行間ににじむ文章でした。また、ざっくばらんな性格は中学・高校教育の現場に向いているように思えます。この大学で蓄えた知力(体力も?)を糧に、新天地での活躍を期待しています。

                                                                          

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