英和にはロールモデルがいっぱい!――高城風葵さん(2016年度卒業生)

卒業生インタビュー#2

卒業生インタビューの第2回は、20173に国際コミュニケーション学科を卒業した高城 風葵(タカギ フウキ)さんをご紹介します。入学時の夢を叶えて、横浜市の中学校で英語教員をしている高城さん。卒業から4年以上経過した今、英和での学びを振り返ってくれました。


                                        2021731日インタビュー時に撮影

【第2回ゲスト】
氏名:高城 風葵(タカギ フウキ)さん
卒業した学科:国際コミュニケーション学科
卒業年月:20173
卒業時のゼミ:池田明史ゼミ
在学時の課外活動:かえで祭実行委員
現在の勤務先:横浜市立中山中学校

――高城さんは指定校推薦で本学を希望されました。東洋英和女学院大学を選んだ理由を教えてください。

教員免許を取得できることと留学できることが、一番の決め手でした。その両方が可能になる大学や学部はそれほど選択肢があるわけでなく、オープンキャンパスに参加した際に印象が良かったので、英和を第一志望にしました。ただ「女子大か~」と、その点だけが気がかりでした。なぜなら、高校まで共学で女子高を経験したことがなかったからです。唯一気になっていたのが女子大という点でした。

――初めて女子だけの環境に入ってみていかがでしたか?

入学前のイメージが180度転換しました。女子大というと、同質性の高い集団だと思いがちです。ところが、英和生は一人ひとり全く違うタイプなのです。柔らかくしなやかだけど芯がある内に秘めたものがあるのが英和生だと思います。他人と比べず、自分のものさしをもっています。

入学して最初に圧倒されたのが、キャンパス内で見かける先輩たちの姿でした。今まで自分の周りにはいなかったような、見たこともないようなファッションに身を包んだ人がいたり、髪の色が独特だったり、本当に人それぞれ。外見からして自分を表現している先輩たちに憧れ、かっこいいと思いました。そんな先輩たちと知り合いたいと思い、かえで祭実行委員会に入りました。私が入ったコンサート・セクションの先輩たちもすごかったです(笑)。

        かえで祭実行委員コンサート・セクションの仲間とかえで祭準備 画像提供:高城風葵


――入学後に衝撃を受けたことは他にありますか?

女性の先生方です。まず1年次の「フレッシュマンセミナー」*1の担当は進藤久美子先生(現在は退職されて名誉教授)でした。進藤先生はこれまで出逢ったことのないような方で、圧倒されるほどの存在感でした。先生のペースに誰も何も反論できないような空気でした(笑)。学者としての自負・矜持を感じる先生です。

*1 本学では1年次より必修のゼミがあり、専任教員がアドバイザーとなります。

――他には、どんな先生が印象に残っていますか?

奥山礼子先生です。「英語文学入門」1年次から教職の必修科目なので、なんとか単位を取らねば・・・という気持ちで履修しました。文学は苦手で、当初は授業の内容が頭に入りませんでした。しかし、1限に奥山先生の快活な授業を受けると、なんだかポジティブな気持ちになるのです。とにかくパワフルで目が覚めました(笑)。

また、奥山先生の授業ではジェイン・オースティンなどの英文学を学ぶのですが、女性の生き方についても考えさせられました。私は大学に入るまでは、「いずれは専業主婦になり、働くとしてもパートでいい」と思っていました。しかし、先生の授業で、当時の女性が現代のように自由ではなく、自分の人生を選択できなかったということ、もどかしさや苦悩を抱えて生きていたことについて学び、「私たち現代の女性はそれを覆していかなければ」という使命感が芽生えました。「私も先生のように働き続けよう」と、次第に変わっていったのです。

――奥山先生ご自身が家庭をもち、お子さんも育てながら、お仕事を続けられた方なので、説得力がありますね。先生はそんなお話もされたのですか?

授業中はプライベートなことをお話しされていなかったと記憶していますが、先生ご自身が体現されていると思います。語らずとも、姿勢や佇まいが物語るというか、雄弁であると感じます。例えば、先生は非常に足が速い。歩くのが速足なんです。あの歩き方を見ているだけでも、女性が働くことが容易でなかった時代に、仕事と家庭を両立させたパワーを感じます(笑)。

――他にも、ご自身の生き方に影響を与えた出来事はありますか?

オーストラリアへの留学です。英和では、一定の基準を満たした上で誰でも留学できる制度があるので、2年生の後期にオーストラリアのニューカッスル大学へ留学しました。この留学もそうですが、性別や人種などに囚われず、自分の道を見つけることの大切さを英和で教わったと、社会に出て感じています。

       オーストラリアのニューカッスルにあるノビーズ・ビーチにて 画像提供:高城風葵

――高城さんは初志貫徹で、「中学校教諭1種免許状(英語)」「高等学校教諭1種免許状(英語)」の教員免許を取得され、英語教員になられていますね。教育者として、後輩に何か伝えたいことはありますか?

自分の直感を信じて、それを貫き通してみてください。

私は1年次の「World of English」というオムニバスの授業で、初めて池田明史先生に出逢います。輪講なので、たった1回の授業だったのですが、その時に「この先生!」と決め、その後池田ゼミに入ります。その勘は大当たりでした。先生は絶対に学生に合わせず、学生のレベルに降りてきません。それゆえ、1年生の時の授業も、先生の言っていることが難しくて、何もわかりませんでした。しかし、その“the 教授”感に魅了され、「この先生なら私を絶対に受け止めてくれる」と感じました。また、そんな池田先生のゼミを選ぶ学生も、みんな個が確立していて、ゼミ生にも恵まれました。

 

                      池田ゼミの仲間と卒業時の記念写真 画像提供:高城風葵

このように、友人にも先生にも恵まれた大学生活だったので、今でも英和のことを考えない日はありません。現役の皆さんには、大学4年間という、自由で無限の可能性に溢れた時間を余すことなく使い切ってほしいと思います。英和でいろいろな人に出逢ってください。

最後に、画像掲載を許可してくださったかえで祭実行委員会コンサート・セクションと池田ゼミの皆様に心より御礼申し上げます。

 

現在は中学校の教員として、毎日多感な年頃の生徒と向き合っているからか、日本の教育についても議論が尽きませんでした。毎朝、元気よく「おはよう」と生徒一人ひとりに声をかけることに、命を懸けているといっても過言ではないそうです。大人たちがいかに楽しそうに働いているか、いきいきと生きているか。その姿を子供たちに見せることが大切だと話している姿を見て、「あっという間に学生から先生になったな」と目を細めてしまいました。

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