無知が一番恐ろしい?! Think Globally Act Locally

授業紹介:地球規模問題

テーマが地球規模になると、自分には関係ないことのように感じますよね?「最近SDGsという言葉をよく見聞きするけれど、なんだか他人事・・・」という人もいるはず。でも今回採り上げる「地球規模問題」という科目を受講すると、意識や行動が変わるみたいです。どんな授業なのか覗いてみましょう。


「地球規模問題」は、地球温暖化問題、国境を越える課題(難民問題や犯罪等)などの地球規模問題とは何かを考えながら、世界を読み解いていきます。具体的には、1962年に出版されたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』と南博・
稲葉雅紀共著の『SDGs-危機の時代の羅針盤』を課題図書とし、SDGsが誕生する背景について学びます。地球規模課題(カーソンのメッセージである「知る権利」=知らないと大変なことになる)とは何か。人類がこれまで別々に考えていた「環境」「経済」「社会」を、つなげたSDGsについて、理論的に学ぶことができます。担当教員である河野毅教授は、国連開発計画本部勤務中に、国連開発グループが実施する多くの地球規模課題プロジェクトに取り組んだ実務経験をもっています。

受講者は、カーソンの『沈黙の春』を精読していく中で、「無知が一番おそろしい」ことを痛感します。そして、自分や自分の大切な人を守るためにも、身近なものがどこから来てどこへ行くのかをまず知ることが重要だと理解していきます。最終的には、SDGsを通して大切な地球を守る意味を学びます。

本科目は、2年生以上の学生が履修可能な学科専門科目です。また、「国際協力コース」の上級科目に位置付けられています。本科目の受講者は、「国際協力入門」「政治学入門」「経済学入門」といった「初級科目」既修者が多いので、「地球規模問題」の前提となる知識があり、より深い学びが可能になっています。

もっと学びたい意欲のある学生には、有志のための勉強会もあります。週1回行われるオンライン勉強会で、『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』(20159月に第70回国連総会で採択)を精読しています。英語原文(Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development)も併用し、原典を正確に読む訓練を積み、SDGsに関する知識を獲得しています。

本科目を受講した学生が、実際にどんなアクションを起こしているか見てみましょう。

1.横浜市水道局川井浄水場(横浜市旭区川井町)訪問

河野先生が有志学生を募り、横浜市水道局川井浄水場*1を訪問しました。横浜市水道局と本学は、連携協定を締結しています。川井浄水場では、持続可能な開発目標(SDGs)のゴール6である安全な水へのアクセスについて学びました。

*1 川井浄水場は、本学が位置する横浜市緑区を含め、117万㎥の安全な水を、横浜市の約12%へ供給する施設。
◎川井浄水場訪問 https://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/campuslife/2020/11/2020111302.html

2.宮ヶ瀬ダム、社家取水管理事務所訪問

横浜市水道局のご支援により、河野先生と有志学生は宮ヶ瀬ダム*2、社家取水管理事務所*3も訪問しています。これにより、川上であるダムから取水までのプロセスへの理解を深めました。
*2 2001年に完成した宮ヶ瀬ダムは、横浜市を含む神奈川県下165町に水道水を供給する水道水貯蓄機能のほか、2万世帯以上の家庭の電力を賄える発電機能、台風時などの洪水防止機能、川の環境維持、という4つの役割を担っている。
*3 社家取水管理事務所は、相模川河口から12キロ上流地点にある取水施設で、宮ヶ瀬ダムから流れてくる相模川の原水を取り入れ、綾瀬浄水場へ導水ポンプで送る役目を果たしている。
◎宮ケ瀬ダム・社家取水管理事務所訪問 https://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/campuslife/2020/12/20201221.html

3.「第63回水道週間イベント」参画

202165日、有志学生が横浜市水道局と共同で水道週間イベントを実施しました。「誰一人取り残さない水へのアクセス」というテーマを掲げ、これまで水道事業とSDGsについて学習した成果を、手書きの展示パネルとクイズにして紹介。PRポスターなど広報物の作成、および桜木町駅前の大学ブースの企画・展示物の製作・当日の運営まで行いました。

◎横浜市公式サイト「東洋英和女学院大学と「第63回水道週間イベント」を開催しました!」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/suido-gesui/suido/torikumi/renkei/suidou_daigakuta.html

このように、理論と実践を通して、目の前のインフラや生活用品が「どこから来てどこへ行くのか」、そのプロセスを理解できるようになります。地球規模の問題というと壮大なイメージがありますが、実は私たちの日々の生活と密接に関わっていることを、本科目をきっかけにして実感することができるのです。

~こんな学生にオススメ~

・国連や国際協力に関心がある

SDGsに関心がある

・地球温暖化など国を超えて取り組まなくてはいけない問題に関心がある


88日(日)のオープンキャンパスでは、河野先生の授業を体験することができます!皆さん、楽しみにしていてください。

◆8月8日(日)オープンキャンパス参加申込はこちら