「夏の英語セミナー」ご報告①

 

 午前の部の講師は、英会話スクールEnglish Partner’s 代表のレイニー先生、テーマは、「英語を楽しく学ぶ」でした。東洋英和女学院大学の英語教員である高橋基治先生と一緒に出版された『ヒット曲で楽しく学ぶ英語』の中には、12曲の素晴らしい洋楽が紹介されていて、楽しく英語を学ぶためのエッセンスが詰まっています。
 レイニー先生は、得意だと思っていた英語が、留学してみると全く通じない、何を言っているか分からないとショックを受け、崖っぷちに立たされた経験から、どうやったらみんなと話せるようになるだろうと考え、毎日疑問文を10個考えて学校に行ったそうです。それを3ヶ月間毎日続けたおかげで、友達もでき、自分の伝えたいことも伝えられるようになり、みんなの会話の輪に入れるようになったというエピソードをお話しくださいました。
 
 そして、その経験から、まず日本語で考えた疑問文を自力で英訳する。この自力でというところがポイントだそうです。英語の翻訳ソフトもない時代でしたが、翻訳ソフトに頼っているといつまで経っても自分で英語の文章を作れるようにはならないと強調されました。
 
 次に、自分の作った疑問文をネイティブの友達にチェックしてもらうことだそうです。そうすることで、自分の作った文章のどこが間違っていたのか分かるので、とても勉強になったそうです。そしてその疑問文をもとに友達との会話を進める中で、新しい単語に出会ったら、次はその新しい単語を自分の文章に組み入れるということを繰り返したそうです。そのような取り組みを3ヶ月間行った結果、レイニー先生は、単語力が増加し、瞬間的に文章を組み立てる力がつき、何よりも話しかける度胸が身についたとお話しされました。

 そして、最後にレイニー先生からは、英語を習得するには、目的を持つこと、時間を区切ってゴールの達成を目指すことが有効だとおっしゃっていました。 


  午後の部は、プリムスアカデミーの代表でもあり、東洋英和女学院大学で非常勤講師も勤めてくださっている水野稚先生でした。水野先生からは、「英語で広がる私の可能性」というテーマでお話を伺いました。 先生からは、1)どんな英語を身につけたいのか、2)論理の作法という具体的なテーマでアクティビティをしながら学ばせていただきました。

 特に先生が留学されていたイギリスでは、発音によって階級が分かってしまうことや、発音によって職業選択に影響が出ることなどをお話しくださいました。また、英語をめぐる議論として、英語帝国主義、World Englishes、English as an International Languageなどの考え方を教えていただきました。 

 次に、ディベートやディスカッションについては、ドラえもんの、「どこでもドア」と「タイムマシン」を例に、参加者も一緒にディベートやディスカッションのやり方について学びました。議論をするときには、主観ではなく客観的にとか、Let’s agree to disagree つまり、同意できないことを理解しよう!その上で自分の意見や立ち位置を決めるプロセスが教養を深めることを理解し、教養を身につけることは物事を判断する際の自分の物差しを持つことだと教えていただきました。 


 夏の英語セミナーに参加して、お二人の先生からは、英語をワクワクしながら学ぶことでモチベーションを保つことや、英語でのディベートやディスカッションは、物事を深く考え、理解することに繋がるプロセスであると学びました。夏休み中であってもこのような貴重なセミナーに参加できてとても楽しくまた有意義なイベントでした。

コメント