オンラインでもできることは無限大!――国際社会学科3年 鈴木里菜さん

現在、就職活動真っ最中の鈴木里菜(スズキ リナ)さん。就職活動でも英和で学んだことが生きているそうです。オンライン授業で学んだこと、身につけたスキルについて語って頂きます。

 


――鈴木さんは現在3年生なので、就職活動中とのことですが、順調に進んでますか?

おかげさまで、IT企業で長期インターンシップ中です。大学の授業に支障をきたさない範囲内で、楽しく就業体験しています。

――学業と両立できているのはいいですね。就職活動やインターンシップもオンラインになっていると聞きますが、オンラインが中心となった生活はいかがですか?

大学2年でオンライン授業となり、留学やゼミ合宿等も行けなくなってしまいました。その点は残念です。通常であれば、就職活動で自己PRするような、実績をつくる時間が奪われたに等しいですから。
 
――確かにそうですね。留学やゼミ合宿ができないと、他の学生と一緒に何かをするという機会が失われてしまったということですか?
 
ただ、その点はそうとも言い切れないんです。私は2020年度後期に「国際教養セミナー」を受講したのですが、この授業ではオンラインでもグループワークがありました。そのため、今まで受講した授業の中で一番印象に残っています。
 
――それはどんな授業ですか?
 
駐日セルビア共和国大使館と連携している科目で、私たちは「日本人にセルビアのことを伝えるためにどうしたらいいか」というミッションを与えられています。これは大使館の重要な任務のひとつなのですが、それを学生も「普通の人」の視点で考え、実際に行動に移し、最終回で大使館に成果報告します。セルビアを知らない、興味がない人の気持ちは、大使館職員や先生より、私たちの方が理解できるからです。


                         駐日セルビア共和国大使館にて(左から3番目が鈴木さん)
 
――鈴木さんたちは具体的にどんなことをしたのですか?
 
セルビアのホストタウンの方々へ、セルビアの情報を発信することにしました。セルビアを知らない、まったく興味がない人にセルビアの情報を届けるのは至難の業です。01にするのは、大使館の方々でも難しいそうです。そこで、12もしくは3にすることを考えました。少なくともセルビアという国を認知している方々をターゲットにし、その人たちにセルビアに関する記事を届けたらよいのではないかと考えたのです。ちょうどオリンピック・パラリンピックのホストタウンが注目されていた時期でもあったので、セルビアのホストタウンを候補にしました。セルビアのホストタウンは全国に5ヶ所あるのですが、大学から比較的近く、市長さん自ら熱心にセルビアを応援している埼玉県富士見市に決めました。
 
――確かに、好きになってくれない人を振り向かせるのは大変です(笑)。富士見市の皆さんにどんな情報を届けたのですか?
 
セルビアがいかに親日国であるかを紹介することにしました。『セルビアを知るための60章』という本の中に、在セルビア日本大使館坪田哲哉参事官が執筆したコラムがあります。2003年に日本がベオグラード市に供与した93台の「黄色いバス」について書かれていて、そのバスが日本とセルビアの友好のシンボルになっているのです。このテーマでいこうと満場一致で決まりました。
 
――既にあるコラムではなく、新しい情報として発信するためにどうしましたか?
 
在セルビア日本大使館の坪田哲哉参事官にインタビューを依頼しました。多忙を極めている外交官の方ですが、快く引き受けてくださいました。実際に坪田参事官が語ってくださった内容には、セルビア大使館の方でさえ知らなかった事実もあるそうです。私たちがセルビア在住の坪田参事官にインタビューをお願いし、記事にまとめた甲斐があったと嬉しくなりました。
 
――オンライン授業だからこそ、物理的な距離が関係ないということですね。状況をネガティブに捉えるのではなく、むしろオンラインだからこそできることを最大限に活用した好例ですね。インタビュー記事を作成するにあたり、役割分担というのはあったのでしょうか?
 
私は在セルビア日本大使館への取材交渉、記事を発信して頂く富士見市への交渉、そして富士見市のオリンピック・パラリンピック担当者の方への連絡・相談を担当しました。他の学生はインタビューの企画書や坪田参事官への取材依頼書などを作成してくれたので、本当にありがたかったです。記事の執筆・編集も、他の人と一緒に作業するのは初めてだったのですが、今誰がどの部分を作業しているかがオンライン上でわかるので、「これからはこのような働き方が普通になるのだな」と実感しながらの作業でした。
 
――記事はどのような形で発信されたのですか?
 
私たちが書いた記事を、富士見市が公式サイトに掲載してくださいました。本当に驚いています。そのためか、日本セルビア協会をはじめとする様々なSNSが記事をシェアしてくださり、少しはミッションを果たせたかなと思っています。
 
――最後に、後輩へメッセージをどうぞ。
 
英和生一人ひとりは個性豊かなのですが、一見すると似て見えてしまうことは否めません。だからこそ、「普通にプレゼンテーションすると埋もれてしまう!」と、1年生の頃から感じていました。そのため、「どうしたら自分にしかないアピールができるか」を常に考えてきたといっても過言ではありません。就職活動もオンラインになってしまいましたが、聴いている人にインパクトを与えられる経験は、英和でできます。コロナ禍でもできることに挑戦してみましょう。
 

日本のセルビア大使館とセルビアの日本大使館を結び、TOKYO2020のホストタウンの皆さんへ発信された鈴木さんたちの活動は、国際社会学部ならではの成果ですね。社会に出てからどんな活躍をするのか、今から楽しみです。
 
富士見市公式サイトで掲載されたインタビュー記事はこちら

2021年度「国際教養セミナー」受講者が執筆し、「My Serbia」に掲載されたインタビュー記事の第一弾(セルビアの結婚式)はこちら


第二弾の記事(セルビア人留学生)はこちら

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