英和での学びを活かしてセルビアへ!――滝沢藍梨さん(2019年度卒業生)【前編】

2022年7月、EU・ジャパンフェスト日本委員会の渡航支援を受け、欧州文化首都のアートプロジェクトに参画した卒業生(国際社会学科OG)がいます。本学で駐日セルビア共和国大使館との連携科目を履修し、かねてからの夢を実現し、セルビアに滞在した、滝沢 藍梨タキザワ アイリさんに帰国早々お話を伺いました。


2022年7月にセルビアで実施された「ドナウのドラゴン」プロジェクト(右から4番目が滝沢さん)



【今回のゲスト】
氏名:滝沢 藍梨タキザワ アイリ)さん
卒業した学科:国際社会学科
卒業年月:2020年3月
卒業時のゼミ:平体 由美ゼミ
在学時の課外活動:オープンキャンパススタッフ
現在の活動:アーティスト


ノヴィ・サド(セルビア)のペトロヴァラディン要塞から見たドナウ川



――EU・ジャパンフェスト日本委員会*の渡航支援を受け、7月にセルビアへ行ったそうですね。おめでとうございます!詳細を教えてください。

*欧州文化首都における文化芸術活動を支援する経済界、欧州各国駐日大使有志により設立された委員会



ありがとうございます。まさか、こんなに早く夢が実現するとは思っていませんでした。学生時代にセルビア共和国大使館と連携したPBL(Project-Based Learning)、SERBIA×英和PROJECTに参加し、セルビア大使や大使館の皆様と協働する機会を得ました。その時から「いつかはセルビアに行きたい」と思っていましたが、私は2020年3月卒業だったので、新型コロナウィルス感染拡大の影響により卒業旅行も行けず、卒業式は中止。その後も海外渡航は夢のまた夢のような状況が続いたので、「セルビアには一生行けないかもしれない」と諦めかけていました。



SERBIA×英和PROJECT5期生として駐日セルビア共和国大使館訪問(前列右から2番目が滝沢さん)



卒業式は中止になったものの、キャップ&ガウンで記念撮影



そんな折、「欧州文化首都ノヴィ・サド2022(セルビア)の “ドナウのドラゴン”キャンプ ボランティア募集!」という情報を、駐日セルビア共和国大使館の公式Twitterで知ります。18歳~30歳対象で7月17日~31日開催ということで、急ぎ準備して応募してみたところ、派遣者として選ばれました!応募する際、SERBIA×英和PROJECTのことはもちろん書きましたが(笑)。



――英和での経験が功を奏してよかったですね!現地ではどんな活動をしたのですか?



セルビア人のプロジェクト・キュレーターの指導の下、セルビア、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、トルコ、イタリア、スウェーデン、ロシア、タイ出身の同世代の若者と一緒にアップサイクルアートに挑戦しました。アップサイクルアートとは、単なる再利用(リサイクル)ではなく、素材に付加価値を加え、より価値を高めるサステナブルな作品づくりです。




10ヶ国の若者が、古いボイラーを使って、思い思いのドラゴンを表現



滝沢さんが描いた「ドナウのドラゴン2022公式報告書」表紙イラスト



――特に日本では未だ海外渡航が難しいので、外国人と対面で交流したり、協働作業をしたりすることは、以前にも増して価値がありますね。とはいえ、本プロジェクトに応募するにはそれなりの”思い”が必要ですよね。そのあたりをもう少し詳しく教えてください。



そこに至るまでには長いストーリーがあります(笑)。背景・経緯を説明しますね。


1年次の「フレッシュマンセミナー」担当が町田小織先生だったので、そこでセルビアという国があることを知ります。そこが原点です。


そして、3年生の時にサラエヴォ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)へのスタディツアーに参加します。セルビアに興味があったので、元は同じ国だったボスニア・ヘルツェゴヴィナにも関心がありました。また、私は教職課程を履修していたので、英語科教育の笹島茂教授(当時)に大変お世話になっていました。その笹島先生が引率されるスタディツアーは、サラエヴォの学校、大学で日本語を教えたり、日本文化を紹介したりするプログラムだったので、日本語教育課程も履修していた私は「絶対行きたい!」と思い、申し込んだんです。


そこで初めてバルカンを訪問し、現地の家庭にホームステイしました。この時のホストファミリーとは今でもおつきあいがあり、本当の家族のような関係です。人生のターニングポイントといっていい経験です。そのホストマザーがセルビア系でした。


ボスニアとセルビアは、以前は同じ国家、ユーゴスラヴィアですから、言語や文化などで共通する部分が多いんです。ボスニアに行ったことで、益々セルビアについて学びたいと思い、4年生の時にセルビア大使館との連携科目を受講しました。


授業が終わった後も、3月に開催される「港区ワールドフェスティバル」でセルビア大使館でのボランティアをすることになっていたのですが、催事そのものが途中で中止になってしまいました。卒業式がなかったのもそうですが、なんとなく宙に浮いたまま、ピリオドを打てないままになっていた気がします。その時からずっと、セルビアに行くことは私の人生のミッションだったんです。



セルビアの民族衣装を着た滝沢さん

(港区ワールドフェスティバル@セルビア大使館)



――念願かなって初めてセルビアを訪問できたわけですが、滞在中に学んだことは何ですか? 



SERBIA×英和PROJECTを担当している町田小織先生から「セルビアの魅力は人」だということを何度も伺ってきましたが、それを肌で感じることができました。コミュニティのために何かしよう、協力しようという精神は、セルビアの文化なのではないかと感じています。


 

――セルビアから帰国してお疲れのところ、長時間お付き合い頂きありがとうございました。


後編で滝沢さんの学生生活に迫ります。お楽しみに♫

本稿とあわせて、滝沢さんがMy Serbia*に寄稿した記事もご覧ください。
*セルビアの美・食・住が集まるライフスタイルマガジン
https://myserbia.jp/life-20220808/
滝沢さんはプロジェクトの報告のために、2022年8月、駐日セルビア共和国大使館を再訪しています。
その様子が、大使館公式Twitterに掲載されています。
https://twitter.com/SRBinJapan/status/1556855635924635648?s=20&t=fwJiX3xzArQnBa93zJ9MUA


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