コロナに負けない英和生――国際コミュニケーション学科3年 関 美裕

自分の力ではどうにもならない局面に陥った時、皆さんならどうしますか?例えば、新型コロナウィルス感染拡大もそのひとつかと思います。今回ご紹介する関 美裕(セキ ミユ)さんは2020年4月に本学へ入学。コロナ禍の影響により、入学式もなく、授業もオンラインと、想定外の連続でした。しかし、そんな中でも関さんは、少しずつ自分の理想としていた学生生活に軌道修正し、2022年9月から本学の提携校のひとつである、アメリカのオレゴン大学AEI(American English Institute)へ留学します。留学前のお忙しい中、ここに至るまでを振り返って頂きました。

成人式の写真

 

――いよいよ留学ですね。アメリカ出発を控えていかがですか?

 

高校生の頃から留学したかったので、やっと行けるという嬉しさでいっぱいです。大学を選ぶ際も、留学できる大学・学部から選択したほどです。

私は香港に住んでいたことがあるのですが、その時カナダ系のインターナショナルスクールに通っていたんです。その学校が素晴らしく、先生方もいい人ばかりだったので、その頃から「いつかは留学したい!」と思っていました。

 

――なんと、香港の帰国子女なのですか。何歳頃いらしたのですか?

 

13歳で香港へ引っ越し、丸2年間生活しました。父の仕事の都合だったので、自分の意思とは関係なく香港へ行くことになり、戸惑いました。中学2年生になる直前に離日し、高校入学前に帰国したので、人生を左右する時間だったと思います。

 

制服姿の関さん@香港

 

――日本にいても難しい年頃ですよね。。。そんな思春期真っ只中に海外で生活してどうでしたか?

 

カルチャーショックの連続でした。日本だったら、転校生に対して教員も生徒もいろいろと気遣ってくれると思うのですが、そういった配慮がゼロなんです。今ではその良さもわかるのですが、行ったばかりの頃は、日本みたいに空気を読んだり、言わなくても察してくれたりする文化ではないので、大変でした。。。その時からですかね、とりあえずニコニコ笑顔でいる癖がついたのは(笑)。

 

――確かに、海外だと自分から動かないと何も始まらないですよね。だとすると、必ずしも楽しいスタートではなかったようですが、その後はいかがでしたか?

 

だんだんと現地の生活にも慣れ、アメリカ、カナダ、インドといった国から来ていた生徒たちとも友達になっていきました。今でも覚えているのは各生徒が持参するお弁当です。お弁当に文化が表れるということを学びました(笑)。

 

――それで異文化理解や異文化コミュニケーションに興味をもったのですか(笑)。他に何か印象的な出来事はありますか?今に繋がるような経験というのはありますか?

 

香港でも新体操を始めたことです。香港でローカルのチームを探して、(なかなかないんですけど・・・)そこで新体操を始めました。

 

――香港でも新体操をやっていらしたのですね。新体操歴も長いのですか?

 

4歳から放課後クラブで始めたので、かれこれ17年でしょうか。

 

2018年の団体戦でのフープ(手具輪)の演技


2019年個人戦でのクラブ(こん棒)の演技

 

――人生の大半ですね。大学では新体操を続けているのですか?

 

新体操のクラブのコーチを3つしています。曲の選択、編集、振り入れ、衣装まですべて担当しています。それから審判の資格も取得したので、試合の審判も務めています。

 

――すごい!大学生とは思えない仕事ぶりですね。審判の資格というのはどうやって取得するのですか?

 

私の場合は独学です。高校3年生の時に3種、大学2年で2種の資格を取得しました。来年は1種を取りたいのですが、留学に行くので取得できるかどうか・・・

 

――独学とは素晴らしい!その分なら留学中も成長できそうですね。

 

だといいんですけど・・・海外で単身生活をすることで経験値が上がると思っています。香港に行った時は、自分で決めたわけではなかったので、行く時は香港へ行きたくなかったですし、帰る時は日本へ帰りたくなかったんです。だから、今度は自分の意志で留学を決め、行き先も選びたかったというのがあります。帰国子女としてのモヤモヤを解消するためにも、学生時代に留学したかったんです。

 

――なるほど。関さんは日本語教育課程も履修していますが、それも帰国子女の経験が影響していますか?

 

日本語教師の資格を取ろうと思ったのは、外国人と接点がもてるからと、自分が外国語で苦労したからというのがあります。だから日本語を学習する外国人の気持ちがわかると思っています。

 

――日本語教育課程での学びも、現地で役に立ちそうですね。それから関さんは着物の着付けができるそうですね。それも海外で活かせそうなスキルですね。

 

おかげさまで、きもの装いコンテスト世界大会の振袖の部で3位に入賞することができました。これも海外の人に日本文化を紹介したい気持ちから始めたお稽古事なので、非常に嬉しく思っています。


2021年「日本の心と美の祭典 きもの装いコンテスト関東大会」振袖の部 1位


2022年「日本の心と美の祭典 きもの装いコンテスト世界大会」振袖の部3位入賞の表彰状と記念トロフィー

 

――おめでとうございます!!世界大会で3位は自慢できますね(笑)。アメリカにもお着物持参ですか?


もちろん持参します。海外で日本文化を紹介するために着付けも習っているので、留学中は最大のチャンスだと思っています。そして新しい世界に飛び込むので、着物を通じて色々な国の人とコミュニケーションできたらと思っています。      

                                                                                                

――渡航前のお忙しい中、ありがとうございました。

 

関さんが「全日本きもの装いコンテスト関東大会」の振袖の部で優勝し、世界大会出場が決まった神奈川新聞の記事はこちら

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