社会科学から映画制作の道へ―東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻に進学(前編)ーー 山下琴音さん国際社会学科 (2023年度卒業)
今回は、大学を卒業後、大学院に進学した卒業生のストーリーを紹介します。山下琴音さんは、フランス映画「最高の花婿」(監督・脚本:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン)を題材に卒業論文を執筆されました。この映画は、敬虔なカトリックのフランス人夫婦と人種も宗教も異なる相手と結婚する4人の娘がお互いの家族を理解し尊重するまでのプロセスを時には皮肉や偏見、時には愛と笑いを盛り込んだ異文化理解がテーマの作品です。そのような題材を選んだ理由も、山下さんが藝大の映像研究科に進学したことと関係するのでしょうか。大学での学びから映像研究科を志したいきさつなどについてお話を伺いました。
―国際社会学科から藝大の映像研究科映画専攻への進学ということですが、どのようなことがきっかけで、山下さんは映画制作に興味をもたれたのでしょうか?
高校時代の先生から映画の面白さを教えてもらったのがきっかけで映画に興味をもつようになりました。大学の授業で、東京国際映画祭でのインターンシップが経験できる授業があることを知り応募しました。選抜制でしたので、志望理由に映画愛を綴って合格しました。
―東京国際映画祭でのインターンシップの経験はいかがでしたか?
大学3年次の東京国際映画祭でのインターンシップは、trial and error, そしてhesitationの繰り返しでした。英語でのコミュニケーションに臆してしまったり、英語が伝わらず落ち込んだり、もう無理かもと思いながらももう一度意思疎通を図るためにチャレンジすることの繰り返しでした。この経験から英語という共通語の重要性を改めて感じました。私の拙い英語でも頑張ってさまざまな国と人と話をすることで、外から見える日本を知ることもできました。
また、東京国際映画祭の上司の方たちが、海外からのゲストに対して先を見据えた気遣いをしている姿がとても印象に残っていて、ホスピタリティの実践を目の当たりにしました。私たちインターン生にも頻繁に声をかけてくださり、丁寧に指示を出してくださいました。東京国際映画祭でのインターンシップの経験から、事前準備、確認、報連相の大切さを学びました。映画祭閉幕後に映画祭でお世話になった方々にSNSで連絡をとり感謝を伝え、その後も交流を深めました。
2023東京国際映画祭にインターン生として参加
―山下さんは最初から大学院進学だけを考えていたのではなく、就職活動もなさっていたのですよね?就職と進学で迷っていらしたのですか?
はい、就職することを視野に入れて、テレビやラジオなどのエンターテインメント業界にエントリーシートを出していました。しかし、「これがやりたい!」という強い熱意がなかったため、うまく志望動機が書けませんでした。今考えると「好き」だけで具体的にその業界で何がやりたい、どうなりたいということが明確でなかったのでうまくいきませんでした。
―大学在学中に東洋英和の大学院で科目履修生として授業を履修していたと伺いました。何を目的にどのような科目を履修していたのですか?
大学3年生のときに受けた授業で一年先輩が大学院で授業を受けていると聞き、科目等履修生の制度を知りました。私は大学の4年目はゼミだけを受講し卒論を書いて卒業するという固定観念を持っていたので、大学の4年次に科目履修生として大学院の授業を履修できることを知り、早速科目履修生として、社会科学研究手法、Academic English、国際社会ワークショップ、国際メディア特論、国際機構論を履修しました。
大学院の授業では、ディスカッションや意見を求められることが多く、多種多様なバックグラウンドを持つ他の学生のお話はとても刺激的でした。海外在住経験のある院生のお話を聞くと自分も日本を飛び出したくなりましたし、お仕事と大学院の勉強を両立されている社会人の方のお話を聞くと自分も頑張ろうと鼓舞されました。大学院の先輩たちが、「大学院に進まないのか?」と声をかけてくださったり、皆さんの方が私の何倍もお忙しいはずなのに進路相談に乗ってくださったり、お食事に連れて行っていただきました。
英和の大学院への進学も考えましたが、自分は何が探求したいのか自問自答を繰り返し、国際協力という領域というより文化に興味があることが明確になりました。
山下琴音さんの記事の続きは後編をご覧ください。
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