今の自分を誇りに思う――金子未空さん(2020年度卒業生)

皆さんは今の自分に満足していますか?今回ご紹介する金子 未空カネコ ミクさんは、英和の4年間で成長を実感し、今の自分に誇りをもてるまでになりました。「大学時代に悔いはない」と言い切れる金子さんの英和での学生生活に迫ります。

 


【今回のゲスト】

氏名:金子 未空カネコ ミクさん

卒業した学科:国際社会学科

卒業年月:20213

卒業時のゼミ:今野茂充ゼミ

在学時の課外活動:清楓会執行部会長、学内活性化プロジェクト「マイプラ」

 

――最初に、本学に入学された動機を教えて頂いていいですか?

 

正直に言うと、第一希望ではありませんでした。本当は共学に行きたかったんです。でも今は「英和で良かった!!」と思います。第一希望の大学に行っていたら、合格しただけで満足してしまい、何もしなかったのではないかと思います。今の自分に誇りをもっている、今の私はいなかったと思います。

 

――共学の大学ではなく、女子大で良かったということですか?それとも英和が自分に合っていたということですか?

 

憧れるような素敵な先輩がいて、女子大もいいなと思います。何より、就職活動の際に本当に英和で良かったと思いました。どの企業にも英和(学内)で実践したことを評価して頂けたからです。高校時代から目標にしていた教員免許も取得できましたし、就職活動もうまくいったので、英和には感謝しかありません。

 

――就職活動がうまくいったのはなぜだと思いますか?もう少し詳しく教えてください。

 

まず、大学4年間で成長できたことが大きいです。高校時代の友人にも「変わった」と言われます。自信がついたんだと思います。他の子より頑張った、これだけのことをやったといえる学生生活だったので、いわゆるガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は豊富でした。何もしない方が怖かったんです。

 

今でも学生時代に後悔はありませんし、「やりきった!」と断言できます。それゆえ、企業の方から何を訊かれても困らない引き出しがいくつもある自信がありました。高校3年生のままの自分だったら、絶対に就職できなかったと思います。

 

――英和は第一希望ではなかったということですが、入学時には既に気持ちの切り替えができていたのですか?

 

いえ、1年生の4月は病みに病んでました(笑)。ところが、5月に「キャリア設計Ⅰ」の授業で東洋英和女学校を創設されたミス・カートメルのことを学んだんです。その時に「誰かのために まず私から始めましょう」*という言葉に体現される英和スピリッツについても学習しました。その時に私は「これだ!何か行動してみよう!」と思ったんです。いつまで悩んでいても仕方ないと考え、まず清楓会執行部(学生自治会)に入りました。そして徐々に英和の中に自分の居場所を見出していった感じです。このような一歩踏み出す勇気と行動力は、社会に出てからあらためて大切だと感じています。

 

                                        2019年度入学式にて、新入生への祝辞として
                                    「誰かのために まず私から始めましょう」とスピーチ


――そんな金子さんが後に清楓会会長となるわけですね。「誰かのために まず私から始めましょう」という言葉に影響を受け、実践してくれる英和生がいることを嬉しく思います。まずご自身の意識変容、行動変容があったわけですが、そんな金子さんを取り巻く英和の環境はいかがでしたか?

 

英和で成長できたのは、学生が何かチャレンジしたい時にそれを後押ししてくれる環境があったからだと思っています。英和だから実現できたんです。

 

例えば、友人とふたりで立ち上げた「マイプラ」というプロジェクトは、「学内活性化プロジェクト」として大学に採択して頂いたものです。英和生の環境問題への意識を高めるため、学内のコンビニエンスストアでレジ袋を削減するキャンペーンを考えました。ちょうど翌年(2020年)からレジ袋有料化が決まっていたので、その啓発も兼ねて、2019年度に発案しました。キャンペーン開始前に英和生へ質問紙調査を実施したところ、レジ袋をもらわない人は1割にも満たないことがわかったからです。

 

                    環境問題への啓発活動の一環として、学内でワークショップを実施


                                                    マイプラの成果発表会資料より

 

そこで、レジ袋を断る人をひとりでも増やすために、コンビニエンスストアの店長さんにご相談し、言葉を発しなくても意思表示ができる工夫をしました。商品を置く位置で、レジ袋をもらうか、もらわないか、店員さんにも一目でわかるシートを設置したのです。そして最も利用者の多い昼休みに、何人の学生がレジ袋を断ってくれるか、数取器カウンターで計測し、効果測定をしました。

                                                    マイプラの成果発表会資料より

 

                                                    実際のレジ台の様子(20201月)

 

非常に嬉しかったのは、たった2名で始めたプロジェクトなのですが、友人たちがいろいろと協力してくれたことです。ある友達は啓発ポスターを手書きで作成してくれ、レジに並んでいる人から見えるよう貼ってくれました。そして数取器カウンターを使っての計測も、何人かの友人が手伝ってくれたんです。

 

さらに、地元のメディアであるタウンニュース社が私たちの活動を採り上げてくださったり、その記事を外務省✕SDGs公式Twitterがシェアしてくださったりしました。どんどん輪が広がっていくような実感があり、まず私から始めれば、賛同してくれる人や協力してくれる人が現れるということを、身をもって体験することができました。

 

「学内活性化プロジェクト」は、学生が大学へ申請し、採択された暁には大学の公式プロジェクトとして活動させてもらえます。そして、成果発表会では学長をはじめとする教職員の方々が、学生の報告を聴いてくださいます。企業でいえば、社長の前でプレゼンテーションするようなものですから、そのような経験を学生のうちにできたことは有難く思っています。

 

――確かに、小規模校だから可能になったことかもしれませんね。「マイプラ」以外に、何か英和だからできたことはありますか?

 

清楓会執行部の活動も大きかったです。かえで祭実行委員会は委員の数も多いので、与えられる責任が小さいように感じ、私は清楓会執行部を選びました。少数精鋭の組織だったと思います。

 

会長になって最初にやったことは、メンバーとの面談です。個別に面談をしてわかったのは、「大学をどうやって良くするか」という同じ課題を共有しているものの、そのゴールへの道筋・方法は人によって異なるということです。私の役目はそれを調整することだと気づきました。そこで、メンバーを信頼し、任せると決めた部分は任せることにしました。何もかも自分がやるのではなく、完璧を目指すのでもなく、人に頼ることも大事だと学んだ経験は大きかったです。

 

――組織の長も経験し、同級生とふたりでプロジェクトを実践したことによって、さまざまな気づきや学びがありますね。それにより、社会人になってもスムーズにお仕事ができているのでしょう。最後に、英和生へメッセージをどうぞ。

 

まず、自分で限界を決めるのではなく、高い目標に向かって日々挑戦してみてください。そして、いろいろなことに挑戦する中で、自分の好きなことが見つかるといいですね。それが難しければ、せめて1つでもいいから、「私はこれを頑張った」というものを学生時代につくってほしいです。

 

――お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

 

タウンニュースで採り上げて頂いたマイプラの活動はこちら

金子さんと一緒にマイプラを立ち上げた片山友理香さんの記事はこちら

東洋英和女学院大学 清楓会執行部公式Twitterこちら

*東洋英和女学院 建学の精神についてはこちら


英和には魅力的な学生や卒業生がたくさんいます。2022年も英和生(現役・OG)の活躍をご紹介していきたいと思います。本年もよろしくお願い申し上げます。

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