ゼミノート(Vol.3)今野茂充ゼミ――アカデミックな思考力を徹底的に鍛える!
ゼミを紹介する連載「国際社会学部ゼミノート」の第三弾!
そもそもゼミって?
国際社会学部では、2年生から本格的にゼミ活動がスタートします。
取り組みたいテーマや教わりたい先生を自分で選び、議論や実践を通して主体的に理解を深めていくゼミは、大学での学びの醍醐味です。
本学は少人数制教育をとても大切にしていますが、その中核にあるのがゼミ活動です。
十数名程度の固定メンバーで1年間(以上)活動するので、先生や仲間との深い絆が芽生え、新しい世界に出会ったり、苦手を克服したり、自分を成長させる最高の機会になりますよ!
☞具体的にどんなゼミがあるのか、みていきましょう!
今野茂充ゼミ
今野ゼミでは、「国際政治と安全保障」をテーマに、学びを深めていきます。
ゼミの目的は、 国際政治の歴史・理論を学びながら、最近の国際情勢への理解や関心を深めるとともに、「知的体力」そのものを大幅に向上させること!
だからこそ、今野ゼミでは、少し背伸びをしないとついていけない環境と、自発的にゼミの活動にかかわる環境づくりに注力しています。
✎今回は、英和の中でもトップクラスの読書量・執筆量を誇る今野ゼミで日々研鑽を積んでいる、ゼミ生の山本晏壽さんにもコメントをもらいながら、今野ゼミを紹介していきます!
今野ゼミでは、毎週なかなかハイレベルな本を読むことで有名です。
山本さん「授業では、主として先生に指定された文献を輪読しています。課題文献は、大国間の国際政治に関するものや各国の戦略・政策について書かれたものが多いですが、テクノロジー関連の本なども扱います。」
例えば2021年の例だとこんな感じだったとか。ひゃー、なんだか難しそうです!
■ グレアム・アリソン(藤原朝子訳)『米中戦争前夜――新旧大国を衝突させる歴史の法
則と回避のシナリオ』(ダイヤモンド社、2017年)。
■ ジョン・ミアシャイマー(奥山真司訳)『完全版 大国政治の悲劇――米中は必ず衝突する』(五月書房、2017年)。
■ 高坂正堯『古典外交の成熟と崩壊』(中央公論社、1978 年)【第6章】。
■ ジョン・L・ギャディス(五味俊樹訳)『ロング・ピース――冷戦史の証言「核・緊
張・平和」』【第8章】。
■ エリカ・フランツ(上谷直克ほか訳)『権威主義――独裁政治の歴史と変貌』(白水社、
2021年)。
■ ジョセフ・S・ナイ・ジュニア、デイヴィッド・A・ウェルチ(田中明彦・村田晃嗣
訳)『国際紛争――理論と歴史[原書第10版]』(有斐閣、2018年)。
■ ピーター・ディアマンディス、スティーブン・コトラー(土方奈美訳)『2030年――
すべてが「加速」する時代に備えよ』(ニューズピックス、2020年)。
山本さん「研究発表やディベートの機会も定期的にあります。各回の授業では、司会・報告・討論の担当者が決まっていて、報告から質疑応答・ディスカッションまで学生主体で授業は進んでいきます。」
実は、今野ゼミでは議論の前提になる文献報告も司会も質問も、全部学生自身が担当するんです。課題の本をちゃんと理解できたか不安だし、ゼミの時間は先生任せで黙って居ようかな・・・なんてことも通用しないんですね。
ディスカッションの様子。みんな真剣です。
今野ゼミでは課題をこなすのもなかなか大変!
山本さん「司会・報告・討論の担当がないゼミ生も、毎週、指定された文献のレポート(1000字)を課題としてこなしています。それ以外にも2週間に1回程度、批評課題(2500字)が出ます。専門書だけではなく小説や映画が指定されることもあります。自分では見つけることができなそうな面白い作品に出会うこともできました。」
文章を書く機会がたくさんあるのですね!このほかに、夏休みにも書評課題が出るのだとか。なかなかの分量ですが、新しい本や映画との出会いはとても刺激的。
読書や文章を書くことが苦手だった学生も、課題をこなしていくうちにどんどんと苦手意識を克服していきます。
そして、時には大学の教室を飛び出すことも!
例年は、沖縄研修で基地見学、史跡研修をしたり、他大学との合同ゼミで刺激を受けたり、国会議員秘書インターンシップ等も実施しています。
夏にはゼミで扱う半期分程度の書籍を読む合宿もあります。また、Diplomacyという第一次世界大戦頃のヨーロッパ外交をテーマとするボードゲーム演習を実施したりもします。
*現在はコロナウィルスの影響で実施していません。
山本さん「新型コロナウィルスの感染拡大で、例年ゼミで実施されている沖縄の自衛隊基地見学・史跡研修や国会議員秘書インターンシップ等の課外活動がなかったことは残念ですが、自分たちで考えたり、意見を出したり、まとめたりする機会が多く、とても充実した勉強をすることができて、達成感を味わうことができます。」
最後に、山本さんにゼミの雰囲気を聞いてみると、「ゼミには明るくフレンドリーな学生が多く、楽しく、にぎやかな雰囲気です。いろいろな意見を聞くことができますし、自分で考えたことも気兼ねなく発言できています。」と教えてくれました。
なかなか課題も多く大変なゼミではあるけれど、ゼミ生や先生とのあたたかな関係性があるからこそ、頑張れるのですね。
これからもどんどん知的体力を磨いていってほしいですね!
今野先生コメント
私のゼミでは、主として国際政治や安全保障について学んでいます。近年の米中対立もそうだと思いますが、国内のさまざまな事情に行動を制約されたり、時には想定外の事態に見舞われたりしながら、パワーや地位や価値観などをめぐり、各国が真剣にせめぎあっているところに国際政治の面白さや難しさが存在します。たくさんの本や論文を読み、レポート課題をこなし、授業中に議論することで、2年間で「知的体力」を大幅に強化することができると思います。国際情勢に関心があり、勉強面でも充実した大学生活を送りたい学生を歓迎します。
高校まででは取り組んでこなかったような、専門的な文献に取り組んで、
仲間たちと徹底的に議論する経験は、大学ならではの貴重な経験。
文章を書く課題もたくさんあって、
ちょっと背伸びして頑張るからこそ、自分の成長を実感できるよ!
*今野ゼミは卒業生も大活躍しています。卒業生の紹介はこちらから!
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